(平成27年度の実績を抜粋で紹介)
 
 
               医学博士 生愛会中央医療クリニック医師
 本間守男先生に感染症の
ご講義を頂きました
  元神戸大学医学部長・同大名誉教授・山形厚生病院前院長
 
【略歴】
昭和5年福島県生まれ。
東北大学医学部卒業。
医学博士。東北大学医学部で細菌学講座の助教授、山形大学医学部で細菌学講座の教授、神戸大学で微生物学講座の教授を歴任する。
元神戸大学医学部長・同大名誉教授。
東北医療福祉会 山形厚生病院前院長。
現在、日本ウイルス学会名誉会員、厚生省中央薬事審議会臨時委員、神戸市保健医療計画審議会会長、兵庫県エイズ対策専門委員会委員、兵庫県健康対策協議会委員に就任。
 
「細菌性食中毒について」
 
 平成27年7月29日(月)の第4回施設内研修では、医療法人 生愛会 生愛会中央医療クリニック 本間守男先生に「細菌性食中毒を考える」というテーマで、ご講義を頂きました。講義では、はじめに食中毒の定義や原因、細菌性食中毒の分類といった基本的な知識から、夏型・通年型・冬型という細菌性食中毒のそれぞれの特徴と予防対策について、詳しく解説頂きました。
 特に施設内における食中毒の予防においては、外部からの持ち込まれる病原性大腸菌やノロウイルスによる感染症に注意が必要とのお話を頂いたため、改めて職員自身が感染媒体とならないように、気を引き締めて感染予防対策を徹底していかなければならないと感じました。
 細菌性食中毒に対しては一年間を通して感染への注意が必要となりますが、特に発生しやすい夏や冬の時期には、今回の研修で得られた学びをもとに、入所者・利用者の方々の健康管理はもちろん、職員各自が意識を高め、日頃より食中毒に関する注意をもって業務に取り組んでまいります。
 
 
施設内研修「細菌性食中毒について」で講義を行う本間守男先生
 
「インフルエンザについて」
 

 平成27年9月30日(水)の第6回施設内研修では、「インフルエンザについて」というテーマで、第4回に引き続き、本間守男先生にご講義を頂きました。
 流行に毎年注意が必要なインフルエンザですが、A型やB型などのウイルスの型ごとの特徴やワクチンについて、ホワイトボードにウイルスの構造を図解しながら、そして時折質問を交えながら丁寧に、熱のこもったお話を頂きました。
 そのなかで、インフルエンザの予防に関しては、食事や睡眠等により免疫力を増強する積極的予防、面会制限や学校閉鎖など病原体との接触を回避する消極的予防、マスク着用や手洗い等による飛沫・接触感染の予防による公衆衛生学的予防に分かれることを学び、インフルエンザにかかる前の予防対策はもちろん、かかってしまった後、感染拡大を防ぐための対策の重要性も学ぶことができました。
 これから冬に向けて、ますますインフルエンザに対する備えが重要となりますので、職員一人一人が注意意識をもって、組織全体で感染予防対策に取り組んでまいります。また、皆様にもご面会にお越しいただく際には、是非ご協力をお願い致します。

 

 
施設内研修「インフルエンザについて」で講義を行う本間守男先生
 
「介護記録について」
「口腔ケアについて」
 
 平成27年11月24日(火)の 第8回施設内研修では、@「介護記録について」、A「口腔ケアについて」という二つのテーマについて、医療法人 生愛会 附属介護老人保健施設 生愛会ナーシングケアセンター本館生活期リハビリテーション棟の谷口裕子看護師長より、ご講義をいただきました。
 介護事業所での書類には契約書やアセスメントシートや経過記録、計画書等様々ありますが、谷口看護師長からは、「記録をしなければ『介護』は証拠が残らない」との講義をいただいております。特に介護記録のポイントとして@主語・述語、A活動内容(6W1H(※))が記録に求められる基本要素で、主訴等は本人・家族とで分けているか、いつ誰が読んでも同じ解釈ができるか、「家族」という表記だけではなく具体的に「キーパーソンの長男の○○」といった表記になっているか、日付や記入者は記録されているか、事実と推測を分けているか、間違って書いてしまった記載内容の訂正方法は適切か、過去形と未来形の表現は明確に分けているか等の事柄を踏まえ、相手の立場になってネガティブな表現(拒否、失禁等)は避け、専門用語や略語の使用は伝わりにくいので控えるようご講義いただきました。
 また、介護記録の良い例と悪い例を挙げ、もし自分が利用者の自宅を訪問した際に利用者が玄関で転倒していたらという事例をもとに、適切な介護記録ができているかの実践も行っております。不十分な記録を記入していても意味がなく、誰が見ても分かりやすい記入をしなければなりません。介護を提供した証拠として残していくためにも、今回の研修で学んだポイントを押さえながら記録記入していきたいと思います。
 「口腔ケアについて」の講義では谷口看護師長から、口腔ケアはなぜ必要なのかの説明をいただいております。@口腔内は常に三十七度前後に保たれ唾液という水分があり、定期的に食物が通過するので細菌が増えやすい環境にあり、唾液1mlに数十億の細菌が含まれていると言われています。A口腔内の細菌が誤嚥されると、誤嚥性肺炎など高齢者にとって致死的な感染症が引き起こされやすくなります。B例え誤嚥しても誤嚥性肺炎に移行しないように、口の中の細菌を取り除いて清潔にしておくことが必要です。口腔内が不潔であると誤嚥性肺炎の他にも心疾患や脳血管疾患等の発症のリスクにもつながるので、高齢者の口腔ケアは怠りのないようにしていきたいと思います。
 
 (※)いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、
    誰に(Who)、どのように(How)、理由(Why)
 
本館生活期リハビリテーション棟 谷口裕子看護師長
 
「ケアプラン・リハ計画書の立て方と
現場での医師、各職種の取り組み」
 
 平成28年2月3日(水)、和歌山県の紀伊の里クリニック院長・医学博士で「介護老人保健施設紀伊の里」施設長の山野雅弘先生を生愛会グループにお迎えし、「ケアプラン・リハ計画書の立て方と現場での医師、各職種の取り組み」と題して施設内研修を行いました。
 介護老人保健施設紀伊の里ではR4システム(公益社団法人 全国老人保健施設協会独自のケアマネジメントシステム)を取り入れており、R4システムの実践により施設のケアの質が確実に向上していることを紹介。また、「@利用目的を明確にできる(退所指導は初回面接、利用開始前から始まっている)。A加算の取りこぼしが少なくなる。B(多職種が)誰でも簡単に、利用者の評価を5段階で評価できる。つまりケアの質が分かる(上がる)。C在宅復帰率向上につなげられ、在宅強化型の維持につながる。」などR4システム導入のメリットを紹介していただきました。
 参加した職員からは、ミールラウンドの時に利用者が緊張しない工夫や重度者を受け入れるときの注意点、実地指導を受ける際の注意点、利用者の状態像の変化をどのように共有しているかなど、様々な質問が積極的に出ていました。
 
  
講義する山野雅弘先生(左)と、質問をする参加者(右)
 

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