介護老人保健施設のセラピスト 理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、
言語聴覚士(ST)チームの生活期リハ
 介護老人保健施設ではどういったリハビリを提供しているの? 医療機関とは何が違うのか、多職種連携に取り組む介護老人保健施設のリハビリテーションチームの1日の仕事に密着しました。
 
AM8:30
出勤(老健、通所リハ、ヘルスケアスクール共通)
 職員シフト、全体の予定を確認出勤してすぐにケアワーカーの介護記録をチェック。昨日は入所者Aさんが熱を出して点滴を打ち経過観察しているところであることを確認。

朝の申し送り
夜勤者からの引継ぎ、担当する入所者の様子を確認
 一般病棟のステーションにケアワーカー(介護福祉士等)のほか、ソーシャルワーカー(相談員)、看護師、管理栄養士が集まり夜間帯のことで報告があります。セラピストは担当している入所者に気になる変化がなかったかを確認。入所者Aさんが熱を出したことに関し、看護師に今日の訓練ができるか相談しました。多職種で入所者の情報を共有する老健はチームプレイです。
 
AM8:50
リハビリテーションチーム朝礼(老健、通所リハ、ヘルスケアスクール共通)
今日の入退所者について確認
退所時サマリーの準備
AM9:00
介護福祉士等に相談(老健、通所リハ、ヘルスケアスクール共通)
多職種スタッフとは必要に応じて打ち合わせ
 各入所者の微細な変化を把握している介護スタッフ。夜間の様子や排泄、入浴時の介助量を確認し、状態の把握に努めます。
 
 
AM9:30
ボタンを付けるリハビリを実施(老健)
 在宅復帰のために自分で衣服の着脱ができることを目指し、ボタンを自分で留めることに焦点を絞ってリハビリしています。




AM9:30〜10:00
通所リハ利用者を出迎え(通所リハ、ヘルスケアスクール)
利用者の観察はこの時から始まっています。
10時前には利用者が続々と到着。利用者の表情や動きに前回と変化がないか、様子を伺う一つの大事な時間です。



熊本機能病院併設 介護老人保健施設 清雅苑より交流研修にてリハビリを行う理学療法士
AM10:00
 ADL低下がある入所者に歩行の訓練を実施(通所リハ、ヘルスケアスクール)
 在宅独居の利用者BさんはADLの低下が見られます。セラピストの評価も終えて、片麻痺のある身体を使って歩行の練習をはじめました。
 
自主トレーニングの見守り
訓練中の入所者にマシンの使い方をアドバイス
 入所者Gさんは自営業。復職を目指してリハビリにも積極的です。毎日、訓練室のマシンを使って意欲的に自主トレーニング。個別機能訓練の日ではありませんが、訓練室を通りかかったPTが声かけ。施設では生活のあらゆる場面で介入するチャンスがあります。
AM10:30
入退所判定会議(老健、通所リハ、ヘルスケアスクール共通)
入所希望者の心身の状態を判断
 リハビリテーションチーム科長が出席。入所希望の方が訓練できる心身の状態にあるか、麻痺などの障害がどのような原因によるものか、専門家としてコメントします。


AM11:30
午前の訓練記録を記入(老健、通所リハ、ヘルスケアスクール共通)昼休み前に記録帳を整理
 午前中は7件の訓練がありました。記録は午前と午後に分け、まとめて記入します。合間の時間にケアワーカー(介護福祉士等)からの相談を受けたり、自主トレ中の入所者に声かけしたりします。
  
PM0:00
食事調査(老健)
ケアワーカー(介護福祉士等)からの相談を受け、食事介助に立ち会い
 「入所者Gさんの食事のポジショニングを見てほしい」というケアワーカー(介護福祉士等)からの相談を受け、OTが食事介助に立ち会いました。テーブルの高さといすの高さのバランスに問題があると判断し、Gさんの身体に丁度良くなるようアドバイス。専門職としての評価やコメントが介護・介助の質向上につながります。

PM1:30
家屋調査(老健)
退所予定の方の自宅へ訪問。ケアマネジャー、家族も集合
 近々退所する予定の入所者Fさんの外出を兼ね、自宅の家屋調査に出かけました。在宅のケアマネジャー、Fさんのご家族も集まり、トイレなどの生活環境を確認。現在のレイアウトから家具を移動し、ベッドからトイレへの動線を変更して、壁伝いに一人でトイレに行けるかどうか、Fさんにも実際に確認してもらいます。ケアマネジャーには退所までに準備してほしい事項と、これまでの訓練経過を伝達。この後、Fさんとともに施設へ戻りました。
PM2:00
はさみを使った手先の動きのリハビリ(通所リハ、ヘルスケアスクール)庭の剪定を自分でしたい利用者に
 利用者Gさんは脳梗塞による後遺症があり、趣味である庭木の剪定ができなくなる不安を抱えています。OTが髪を細長く丸めた物を枝に見立て、はさみを実際に使ってリハビリを行っています。



熊本機能病院併設 介護老人保健施設 清雅苑より交流研修にてリハビリを行う理学療法士
PM2:30
廃用症候群から介入(通所リハ、ヘルスケアスクール)
 脳梗塞後遺症が残ったHさん。数か月前には杖歩行ができていましたが、ふらつきが強くなってしまいました。OTがマッサージから開始。本人に聞いた「昔から絵を描くことが好きなんです」という話を参考に手先を動かすリハビリにも取り組んでいます。
PM3:00
健康麻雀(通所リハ、ヘルスケアスクール)
 賭け事をしない「健康麻雀」で、頭を使う訓練、手先を使う訓練を行い、片麻痺等でできないことはスタッフが手伝います。


PM4:00〜4:20
通所リハ利用者をお見送り(通所リハ、ヘルスケアスクール)
 夕方4時に通所リハ、ヘルスケアスクールの利用者が自宅に帰ります。次回の利用時もよろしくお願いしますと声かけします。

PM4:30
サービス担当者会議(老健)
介護保険ケアプランの変更内容を確認
 リハビリスタッフの他、看護師、ケアワーカー(介護福祉士等)、管理栄養士、ケアマネジャー等の他職種が一堂に会し、新しいケアプランについて協議します。リハビリの職員として会議に参加し、片麻痺のあるIさんについて「トイレはほぼ自立ですが、ズボンを引き上げるのが難しいので見守り介助しましょう」と機能評価を説明しました。

PM5:00
午後の訓練記録を記入(老健、通所リハ、ヘルスケアスクール共通)
退勤前に記録帳を整理。電子カルテにリハビリの記録を入力します。
 午後は10件の訓練がありました。
PM5:30
退勤
セラピストに期待されるのはリハビリでのリーダーシップ
 
 
 生愛会ナーシングケアセンターのリハビリはPT・OT・STによる担当制。それぞれのセラピストが看護師やケアワーカー(介護福祉士等)、管理栄養士、歯科衛生士、ケアマネジャー、ソーシャルワーカー(相談員)と連携して、入所者をサポートするチームリハを実践しています。
施設で毎日のケアをしているケアワーカー(介護福祉士等)にリハ的なアドバイスをすることも、セラピストの大切な役割。また、学会発表などの取り組みも盛んです。医師による処方箋で介入する医療機関とは異なり、老健では医師の指示のもと、セラピストが自ら判断してリハビリをリードすることが求められています。
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